自然を有効活用しよう!
キャンプにきてから焚き火やBBQに使う焚き付けを忘れている事に気づく事ありませんか?
諦めて買いに行くか、空き箱やティッシュを工夫して着火を試みたりがすぐに思いつく対処法だとは思いますが、せっかく自然の中にいる訳ですから自然の力を少しだけ借りてみるはどうでしょう。
自然の物を使って火を熾すってなんだかサバイバル的なワクワク感を味わえますし、使えそうな物を探しに森や山を探検していると、大人になると忘れてしまいがちな冒険心が満たされます。
ただ外でご飯食べて寝るだけではなく、そういうのもひっくるめてアウトドアの楽しみだと思いますので、是非皆さんも童心に返って自然と触れ合いましょう。
役に立つものその1 「松やに(ファッドウッド)」
松やにとは、松から採集される天然の樹脂で揮発性が高く、大変燃えやすい物です。松の木の傷等から黄色っぽい樹脂が染み出しているを見たことありませんか?あれが焚き火に非常に役に立つ燃料になります。
また、その樹脂を多く含んだ枯れた松から採取されるファッドウッドも良く燃え、市販の焚き付けや着火材のように使用できます。上質なものならナイフの背で削って火口にする事ができ、大変重宝します。
ただし、ファッドウッド採取は少々難易度が高いので、そこそこアウトドアに慣れた方か、そういう人と一緒に探すようにしましょう。最初のうちは木の見分けつけるだけでも大変ですからね。
採集する際は必ず倒木か立ち枯れしている木から採集するようにして下さい。生きている木を切ってしまうと最悪処罰を受けるかもしれませんのでご注意を。
ちなみにどうしてもファッドウッドを試してみたいという方は、市販されているものがありますのでまずはそこから始めてみてはいかがでしょうか?
役に立つものその2 「松ぼっくり」
先述した松やにをこれまた多く含んでいる松ぼっくりも、天然の着火剤として最高の役割を果たしてくれます。かさが完全に開いている形状も、空気を多く取り入れて更なる燃焼促進効果もあるのだとか。
一番の利点は、松やにやファッドウッドよりも発見しやすい事ですね。森の中を歩いていればそこらへんに転がってますし、遊歩道の道端なんかにも良く転がっています。
ただし、ほんとに良く燃えますので取り扱いには十分注意して下さい。3~5個程度あれば十分焚き付けの仕事を果たしてくれますので、山盛りの松ぼっくりに火をつけることはやめましょう。
松ぼっくり集めの際のコツとしては
よく乾燥しているもの
カサが完全に開いているもの
踏まれて潰れていないもの
このポイントを守って集めれば上質な焚き付けになりますので、是非とも試してみて下さい。
役に立つものその3 「ススキの穂」
お月見の時に使うススキの穂ですが、焚き火や炭の着火に役に立つアイテムになることがあります。
発見するのもさほど難しくは無く、広場や土手なんかに生えていますので数本頂戴するだけ。
「必要な分だけ」です、そんなに量は要りません。
ふわっふわな見た目ですが、そのふわふわ部分はとっても火が付きやすく、紙と同じかそれ以上に着火が簡単です。ライターは勿論、メタルマッチと呼ばれる火打ち石でも一発着火可能でです。
これまで、ティッシュで着火していたそこのあなた。次からは何食わぬ顔でススキの穂を拾ってきて着火剤にするのです
男を上げるチャンスですよ
役に立つものその4 「白樺の樹皮」
白樺の樹皮には油分が多く含まれており、良く燃えます。昔の猟師さんは道すがら白樺の樹皮を集めながら猟場へ行き、野宿をする際に火おこしの道具としてつかったそうです。
日当たりの良い所を好む木であるため、開けた土地なら生えていますので(北海道だけかも?)採集するのもそんなに大変じゃないかと思います。
ただし、松やにの時と同じく、必ず立ち枯れか倒木から採取してください。
役に立つものその5 「シュロの樹皮」
シュロってあまり馴染みのない名前もしれませんが、ヤシの仲間です。シュロの木自体はそんなに良く燃える訳では無いのですが、樹皮はまるで動物の毛のような細かい繊維質で、ススキの穂と同じようにとっても着火しやすいです。
その繊維を使って、昔の人は皮箒と呼ばれるシュロの樹皮を束ねた箒を使っていたそうです。
採集する際は、木の幹から必要な分だけナイフ等で切り取りましょう。そう「必要な分だけ」です。だいたい大人の男性の一握りほどの樹皮で十分です。一度切られてしまった樹皮はもう生えてこないので、木を丸裸にしてしまっては可哀想です。
少量取るだけで枯れたりはしないので、使う分だけ少量木から分けてもらうようにしましょう。
自然にあるものを工夫して、さらにアウトドアを楽しく
着火剤を忘れてしまったのは残念なことですが、今回お話したように、自然で拾えるものでも上手に利用できれば、むしろもっとアウトドアを楽しむためのスパイスになります。
大人になっても冒険心や遊び心を忘れずにいたいものですね。