薪の種類によって燃え方は変わるのか?
皆さんが普段キャンプで焚き火や薪ストーブに使う薪にも種類があります。
ホームセンターやキャンプ用品店で色々な薪が束になって売られていますが、どれを買っていいか分からなくなってしまいそうですよね。
あてずっぽうに薪を買って中々火がつかなかったり、着火が簡単に出来ても火持ちが悪かったりして思うような運用が出来ない・・・とならない為に、失敗しない薪の選び方を、今回一緒に学んでいきましょう。
薪の種類は「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます
薪になってしまった木は、ぱっと見どれも同じに見えてしまいがちですが、大きく分けると「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます。
どちらもそれぞれ特性があり、使う用途によってどちらが向いているか変わって来ますので、この二種類の特徴を次から説明していきます。
特徴を知ることで、きっと今までよりも焚き火や薪ストーブが楽しくなるはずです。
針葉樹の特徴
針葉樹は、葉っぱが針状に尖っており、枝分かれが少ない木の事です。
イメージしやすいのが、クリスマスに使うモミの木でしょうか。尖った葉っぱに電球や装飾を飾った思い出がある方も少なくないはず。
値段は広葉樹より軽くてお安く、キャンプ場等で一束500円前後で売られている薪は針葉樹の物がほとんどです。
針葉樹の薪は油分を多く含んでおり、とても燃えやすいと言う特性を持っています。焚き付けや、フェザースティックでの着火がしやすいのもこちらになります。
(↑フェザースティック)
針葉樹の代表的な樹木といえば松がありますが、その球果である松ぼっくりは良く燃える事で有名ですし、ティンダーウッドも松からよく採集されます。
ただし、油分を多く含んでいるということは、煙や臭いやススが多く出るということです。
針葉樹の焚き火でお湯を沸かそうとすると、クッカーやケトルが真っ黒になりますのでご注意を。
広葉樹の特徴
広葉樹は、葉っぱが平べったく広がっていて、枝分かれが多い木の事です。
針葉樹よりもゆっくり育つ為(桐など例外はあります)、重たくて密度が高く火が付きにくいですが、代わりに火持ちは抜群にいいです。
油分、ヤニも少なめで、煙が出づらく、焚き火調理に向いています。もちろんクッカーに付くススの量も少ないです。
ただ、針葉樹に比べると少々お値段は高め(一束700円くらい)です。まぁ、その分長く持つので200円の差はさほどないようにも感じます。
火が付きにくいということで、フェザースティックを作ってメタルマッチで着火も少し難しくなります。逆をいえば広葉樹で成功したらフェザースティックマスターになった証拠かもしれません。
代表的な針葉樹
松(マツ)
油分が多いので火付けがとても良いです。焚き付けや、フェザースティックにして火口にするのに向いています。
杉(スギ)
花粉の季節に多くの人を苦しめる事で有名な杉ですが、薪としては安価で手に入りやすく、柔らかいので薪割りもしやすい、焚き付けに最適な樹木になります。
檜(ヒノキ)
檜風呂で有名な木です。針葉樹の中では火持ちがよく、乾燥するのも早いので使い勝手がいいです。香りが良いので好んで使う方もいます。
代表的な広葉樹
樫(カシ)
最高峰の火持ちと火力を誇り、「薪の王様」と呼ばれています。北欧では高級家具、建具の材料に使われています。乾燥すると、チェンソーの刃が欠けるほど硬くなります。
楢(ナラ)
どんぐりが成ることで有名な木ですね。手に入りやすくて火持ちがよく、上質な薪として使われています。日本で使用されている薪の中では、一番ポピュラーな木です。
欅(ケヤキ)
目が細かく、着火性・火持ちが良い木です。日本では、高級建築材、家具、建具の材料として有名です。とっても硬いので薪割りをするのは一苦労かもしれません。
椚(クヌギ)
樫と同じく、高密度で火持ちが大変良い高級薪になります。樫と比べると成長するのが早く、昔から薪にするために植林されてきました。檜程では無いですがほのかに良い香りがします。
楓(カエデ/メープル)
欧米のストーブ愛好家に人気の薪です。火持ちが大変良く、薪ストーブに適していますが、流通しているほとんどが輸入品の為、入手にはちょっと苦労するかもしれません。
白樺(シラカバ)
当サイトの管理人が住む北海道ではポピュラーな木で、広葉樹なのに火付きがとても良く、樹皮に至っては火口に使える程。火持ちは余り良くありません・・・。
まとめ
今回の記事を簡単にまとめますと
焚き付けや火口に適しているのが「針葉樹」
ゆっくり焚き火や薪ストーブを楽しむなら「広葉樹」
となります。
まぁ正直、「適している」だけであって針葉樹で薪ストーブも広葉樹で焚き付けも出来ないことは無いのですが、知っているのと知らないのでは楽しさが全然違うので、今回こういった記事を書かせていただきました。
この記事で、少しでも皆様のアウトドア活動が楽しいものになれば、管理人としても幸いです。