公開日: 2019年01月15日 19:00
著者: 遊一
カテゴリ: ハウツー

キャンプ場での熊対策

「キャンプ場で熊に遭遇したら」と考えた事がある方も多いと思います。実際、本当に熊と遭遇してしまった方もいますので、十分対策はしておいたほうが良いです。今回は、対策方法を熊の聖地北海道出身の管理人がお話させていただきます。

山奥の幻獣? いえいえ、身近な野生動物です

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都会に住まわれている方ですと、ひょっとすると熊は山奥深くに住む幻の動物という認識があるかもれませんが、実は私たちの身近に居る野生動物なのです。

九州、沖縄を除く日本全国に分布が広がっており、過去に東京都内にも熊が出没する騒動がありました。それくらい身近には熊が居るということで、自然に触れる機会の多い私たちアウトドアマンはよりいっそう気をつけなければなりません。

 

でも、忘れてはならないのが、熊たちからすれば私たち人間こそが脅威そのものだという事。熊に襲われる原因の多くは、熊のテリトリーに人間が侵入し、熊が防衛の為に襲い掛かるというケースが多いようです。山や森に入る際は、ここが自然の中で人間のルールが通用しない世界であることと、動物達の世界にお邪魔している認識を強く持ちましょう。

 

管理人の実体験

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キャンプ場ではないのですが、実は管理人も熊と遭遇したことがあります。

北海道に住んでいる為か、熊出没のニュースは度々目にしていたのですが、まさか本当に遭遇するとは夢にも思わず、友人とキャンプに行った帰り道での事。日も暮れてしまい、車のライトを点けて郊外を走っていたのですが、前を走る友人の車の横に黒い陰が並走していることに気づき、とっさにオバケだと思った私はクラクションを連打。友人も気づいたのか同じようにクラクションを鳴らし始め、黒い影は横の茂みの中へ逃げていきました。

それからしばらく走り、コンビニが見えたので停車して友人に話を聞くと、どうやらオバケではなく熊だったようで、友人いわく「ドスンドスンと地響きがして横をみたら大きな熊がいた」との事でした。

50km近い速度で走る車と並走するスピードに加え、驚いたのはその大きさ。友人の車はホンダのフィットという車種だったのですが、それより一回り小さいくらいのサイズで、優に体長1.5mはあろうかという立派なヒグマでした。

私と友人は車に乗っており、かつクラクションに驚いて逃げてくれたので大事には至りませんでしたが、これがもし生身で遭遇していたら・・・そう考えるといまだに背筋に冷たいものが走ります。

 

 

熊と遭遇しない為に

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熊と遭遇しない為に、取るべき一番の行動は「熊が出るところに近寄らない事」だと思います。熊出没注意の看板がある所や、最近目撃情報があった所、ハイシーズンなのに人の少ないキャンプ場には要注意です。山や森の中に入る場合は熊除けの鈴を必ず身につけ、定期的に大きな音を出すようにしましょう。

 

実は、熊の嗅覚は犬以上に優れている為、離れた距離からでも食べ物の匂いを感知して寄ってきます。キャンプ場でも、食事が済んだら速やかに残った食材などは処理するようにし、テント内にもあまり食品を持ち込まないでおきましょう。これにより、熊だけではなくカラス等ほかの野生動物対策にもなります。

 

万が一遭遇してしまった時の対処法

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それでももし熊と遭遇してしまった場合、しかるべき対処をとる必要があります。昔からよく言われている「死んだフリ」は全く効果がありませんので絶対にやらないでください。

また、驚いて走って逃げるのもあまり得策ではありません、人間が驚くのと同じで熊も突然の人間との遭遇で驚いて興奮していますので、刺激をなるべく与えないように落ち着くことが重要です。それに相手は自動車と並走する程のスピードを出すことができますから、ウサイン・ボルト選手でない限り逃げ切れません。

熊と遭遇してしまったら、決して背中を見せないようにゆっくり後ずさります。その際に襲ってきたり、威嚇して近づいてきた来た場合は抵抗するしか生き残る術はありません。大声を出して近くの石や棒を投げつけましょう。

 

石や棒より効果的な武器

そこらに落ちている石や棒より熊に対して有効な武器があると心強いです。熊対策用品で鈴に並んで有名なのが熊スプレーと呼ばれる、熊専用にチューニングされた強力な催涙スプレーです。

 

人間用の催涙スプレーでは熊に対して効果が薄く、かえって怒らせてしまい大変危険です。用意するなら必ず熊専用のスプレーを選びましょう。

逆に熊スプレーを人間に対して使用すると最悪の場合失明してしまう危険性がありますので、絶対に人に向かって噴射するのはNGです。

また、熊よけスプレーも完全な熊対策武器ではなく、風向きによっては自分に掛かってしまったり、風が強くて効果が薄れてしまったりすると、もう腹をくくって格闘するしかありません。

よく山菜取りで熊に遭遇して撃退したニュースだと、山菜を取るために持っていった鉈(ナタ)で攻撃し、命からがら助かったというのをよく見かけます。ナイフよりリーチのある刃物である鉈が、熊と格闘する上では最適かと思います。

 

熊の鼻先を鉈で叩くのが効果的だという話がありますが、襲われて命のやり取りをするっていう時にそんな器用なこと普通できないですし、あくまで殺す為ではなく撃退する為なので可哀想ですがとにかく力一杯体のどこかに鉈を振り下ろして、痛さで逃げてくれる事を祈りましょう、やらなきゃやられます。

 

死なない為に準備しましょう

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冒頭でも書きましたが、自然の中において人間が作ったルールや法律などは通用しません。いざという時に間違った行動を取れば人間など簡単に死んでしまいます。

たかがキャンプで大げさと思う方も居ると思いますが、万が一の時に備えておくに越したことはないのです。なんの対策もせず熊と遭遇してしまってから後悔しても遅いので、もしもの備えは十分にしてから、アウトドアへ出かけましょう。

 

 

 

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